Butsuryu i特集 創立50周年記念事業展開サンワNETS | 株式会社サンワNETS
2020年7月30日
㈱サンワNETS(水谷欣志社長、静岡県袋井市)は、今年7月に創立50周年を迎えるにあたり各種記念事業を行っている。
その一つが記念誌「直向」(ひたむき)の発行。編纂委員会を立ち上げ議論を重ねながら作り上げた。昭和、平成、令和と時代が移り行く中でいくつものピンチを乗り越え、顧客のため、会社のため、社員のために全力で事業を推し進めてきた歴史が、創業者の山﨑久隆会長、水谷社長はじめ管理職のコメントを交えながら約100ページのA4冊子に纏められている。完成した記念誌は、従業員や取引先に配布した。
また、50年の節目を機にユニフォームも刷新し、4月に乗務員や倉庫作業者ら600人に配布した。半袖・長袖のポロシャツとズボンのセットで、ポロシャツとブルゾンは落ち着いた紺色を基調として、地元サッカークラブ「ジュビロ磐田」のチームカラーのサックスブルーを一部に採り入れた。ズボンはストレッチ生地で伸縮性があり動きやすさにこだわった。また、秋冬用ブルゾンも用意し、ブルゾンとズボンには安全に作業ができるよう反射材が取り付けられている。水谷社長は、「ユニフォームも記念誌も若い従業員に受け入れられやすい見た目の良いものに仕上がった」と話している。
そして、50周年を記念する特別施工のトラックも導入した。袋井市の観光や文化をPRするためにボデー部分にペイントを施した。このほど袋井市と共同で公開した。
歌川広重が描いた浮世絵「東海道五拾三次」の「袋井 出茶屋ノ図」を大きく描き、富士山や重要文化財の油山寺三重塔、花火大会「ふくろい遠州の花火」、伝統文化の丸凧(まるだこ)揚げの風景なども加えた。そこに50周年ロゴデザインと、「東海道どまん中から、ありがとうをお届けに。」の同社キャッチフレーズをペイントしている。施工したトラックは大型車1台と、4トン車1台の合計2台で、今後、広告塔として地場だけでなく関東や関西に向けても走る。
なお、同社では5年の節目ごとに記念式典を開催しているが、今回は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期となった。
時代の変化に対応し勝ち残る
―創立50周年おめでとうございます
水谷▽ありがとうございます。これもひとえに、地域および全国のお客様、協力企業の皆様方、その他関係各方面の方々のご指導、ご鞭撻の賜物であり、心より感謝しています。
―これまでの道程を振り返っていかがですか?
水谷▽れんが工場をしていた山﨑久隆会長が、れんがの需要が減少する中で保有していたトラックを活用し運送事業に乗り出したのが当社のスタートです。それから50年間、取り巻く環境は大きく変化しました。昭和、平成、令和と世が移りゆく中で、オイルショックや
バブル崩壊、リーマンショックなどいくつものピンチを乗り越え、平成31年3月期の決算においてはグループの売上を100億円に乗せることができました。これは私どもにとって望外の喜びです。そして令和元年度も厳しい環境下であったものの、何とか増収増益となりました。
-多くのピンチを乗り越えられた理由は何ですか?
水谷▽第一に社内の小集団活動が挙げられます。QC(品質管理)サークル活動ですが、
社員を小規模なグループに分け、どうやったら業務を改善できるかを議論し実施していくことで品質管理の向上を実現していく。1988年に取り組みを開始し、連綿とQC活動を実施しています。また、運送に特化せず、倉庫や流通加工など事業範囲を広げてきたのも安定的な収益基盤を構築できた要因だと思います。
―次なる10年に向けて力を入れていきたい分野はありますか?
水谷▽ITを活用したサービスのほか、冷凍や冷蔵など温度管理を必要とする分野にも注力したい。また、条件が合えばM&Aも積極的に行っていく。
―混沌とする時代を勝ち抜くために不可欠なことは何だと思いますか?
水谷▽現代社会は日進月歩どころか秒進分歩のスピードで変化しています。そうした変革に対応できなければ将来の成長は不可能です。過去に縛られず、かといってあまり先を見すぎてもいけない。時代の一歩先を見据えつつ、お客様の求めることを敏感にキャッチしながら、自分たちに何ができるかを常に考えその範囲を少しずつ広げていく。そうすることによって物流企業でありながら物流という枠を超えていく〝新しいサンワNETS〟の姿が見えてくる。ポイントなのは、小さくとも、同業他社もお客様自身も気づいていないニッチのニーズを発見していくこと。これまでの信頼関係をベースに「物流提案カンパニー」として時代に即した提案を届けていきたいと考えています。