物流ニッポン(2023年4月21日) 子会社間で遠隔点呼 夜間人手不足・高齢化受け | 株式会社サンワNETS
2023年4月25日
サンワNETS(水谷欣志社長、静岡県袋井市)は、グループのファルマン運輸(山﨑隆太社長、埼玉県三芳町)をホスト事業所として子会社間での夜間の遠隔点呼を取り入れ、業務効率化を進めている。運用に向けた課題はあるものの、水谷社長は「おおむね順調にいっている。今後も確実な点呼ができるようにしっかり運用したい」と話す。
勤務時間の差異など課題
3月中旬からスタート。ファルマン運輸の北関東営業所(栃木県佐野市)、サンワネッツ埼玉(同社長、埼玉県日高市)、トラスト物流(村田和彦社長、静岡県袋井市)、大幸運輸(五十川さゆり社長、名古屋市港区)本社の4事業所をクライアントとして運用している。今後はサンワNETS川崎物流センター(川崎市川崎区)と同静岡営業所(静岡市葵区)の追加も検討する。
既存の東海電子(杉本哲也社長、静岡県富士市)製アルコールチェッカー導入に合わせ、同社のクラウド型点呼システム「e点呼PRO」と、実施状況を確認するためのカメラを各事業所に導入。夜間に入退室できる遠隔点呼専用ルームを準備し、各社・事業所が所在する4県の運輸支局に申請し承認を得た。
遠隔点呼は夜間に入出庫するドライバーが対象で、3月16~31日に4事業所合計で乗務前後に404回の実績を数えた。今後、月平均で800回以上の実施を予定している。ホスト事業所のファルマン運輸では日中を含め、6人で点呼体制を組む。1カ所で複数の事業所を対象とするため、入出庫車両が同じ時間帯に重複した場合に送受信がしにくく、点呼の順番を待つ時間が長くなるといったケース、各事業所で遠隔点呼を必要とする時間帯が異なるなど、運用方法の整備や機器の習熟などで課題がある。
水谷氏は「人手不足であると同時に、点呼者が高齢化していることを考え始めた。現時点で複数の事業所を対象とした遠隔点呼はあまり例がないのではないか。効率良く確実な点呼ができるようにしっかり運用したい」と話している。