物流ニッポン(2016/10/06) 新卒&会長ら富士登山 新入社員研修 親睦図り情報交換 | 株式会社サンワNETS
2016年10月6日
【静岡】「爺さんと孫のような、一体感ができた。大変だったが、登ることができて良かった」-。サンワNETS(水谷欣志社長、静岡県袋井市)が新卒新入社員の研修として9月5、6の両日に実施した富士登山に、山﨑久隆会長(79)が初参加した。
山﨑康二専務(44)の発案で2015年からスタートし、今回が2回目。新入社員は入社後、各事業所で1年かけて現場経験を積み、その後、正式に配属される。全員がそろうのは最初の数日のみのため、「半年近くが経過したこの時期に集合し、親睦を図りながら情報交換することが必要ではないか」(康二氏)と考え、宿泊を伴う富士登山を思い付いた。
15年は新入社員6人のうち2人が参加。今回は入社した山本隼人氏(23)、秋田貴大氏(22)、上田竜樹氏(18)、前田凱氏(19)の4人全員が登山を共にした。
久隆氏は「最後まで登り切れないようでは、会社の仕事も脱落してしまうのでは」と4人を気に掛け、「それならば一緒に登って見届けよう」と、周囲の反対を押し切り、初めての富士登山を決意。当日は新入社員4人と久隆氏、康二氏、サポーターとして指名を受けた体力自慢の3人の社員を合わせた9人が本社に集合し、水谷社長や多数の社員に見送られ、2台の車で向かった。
正午過ぎ、富士宮口5合目から出立。9合目の山小屋を目指し足を進めるも、「登っていくごとに呼吸が苦しくなり、休んでは登るの繰り返しだった」(久隆氏)。
そのため、9合目への到着は夕食が食べられる時間ぎりぎりの午後7時2分前。久隆氏と歩みを共にした康二氏は、「もう少しで、食事抜きになるつらさを味わうところだった」と苦笑する。新入社員を含めた若手グループは数時間前に既に到着しており、久隆氏は「彼らはすいすいと登っていく。若いとは本当にいいことと改めて思った」と話す。
翌日は悪天候で、ほかに登山者は見られなかったが、「せっかくここまで来たので頂上を目指す」と全員の思いが一致。ご来光を拝むことはかなわなかったものの、風雨をしのぎながら懸命に登り、全員が山頂に到着。更に3人の新入社員を含む4人が剣ヶ峰にも登頂し、3776メートル制覇に成功した。
下山では、宝永山火口付近を通過。視野に不自由がある久隆氏は、「降りる時は遠近感がつかめず苦労したが、火口を見ることができ、感動的だった」と振り返る。新入社員へは「心配は杞憂だった。これからしっかりと頑張ってくれると思う」と信頼を寄せた。(奥出和彦)